七夕に星を見よう

 万葉の昔から親しまれてきた、七夕伝説。天の川をはさんだ星の恋物語は全国の七夕祭りとなり、江戸時代には家ごとに笹やお供え物を飾り、一家総出で星と天の川を眺めて、楽しいだんらんのときを過ごしました。

 いまも七夕は保育園や学校で盛んです。けれどカレンダーの7月7日は、日本はほとんど梅雨の中。竹飾りだけで星は不在の七夕になってはいませんか?

 世界天文年の今年は、旧暦の七夕に星と天の川の景色を楽しもうと、私たちは呼びかけています。旧暦7月7日はもう梅雨が明け、全国的に天気は良い。そして太陰太陽暦だからほぼ月齢7日、上弦の月です。満月だと明るくて星もよく見えませんが、半月なら明るすぎず、宵のうち中天にあって夜半前には沈みます。あとは満天の星と天の川。絶好のシチュエーションなのです。

 私たちは旧暦七夕を「伝統的七夕」と呼び、できればライトダウンで天の川と星を楽しもう、と呼びかけてきました。沖縄県石垣市など、大きな年中行事になっているところもあります。世界天文年の今年、伝統的七夕は8月26日(水)なので、その前の週末22日・23日(土〜日)が、絶好の「伝統的七夕日和」です。

 ほとんど失われてしまった、暗い夜空に光る星と天の川の美しさ。子どもたちに見せたいものです。

海部宣男(世界天文年2009日本委員会委員長)

伝統的七夕を楽しもう

「伝統的七夕」とは

もともと七夕の行事は、7月7日といっても現在使われている暦ではなく、いわゆる旧暦など太陰太陽暦の7月7日に行われていました。国立天文台では、太陰太陽暦の7月7日に近い日を計算して「伝統的七夕」の日とし、星空を眺めようと呼びかけています。梅雨時の7月7日よりは晴れやすいということも、織女と牽牛の物語にちなんだ日としてふさわしいと言えるでしょう。

「伝統的七夕」の日は月は夜半前には沈み、その後は月明かりの影響が無くなって夜空が暗くなるために、天の川を見やすい条件となります。星空を楽しむにはおすすめのシチュエーションです。

link国立天文台 よくある質問「七夕について教えて?」

 

世界天文年の「伝統的七夕」

伝統的七夕を機に明かりを消して天の川と星空を楽しみましょう。

2009年の「伝統的七夕」の日は、8月26日(水)です。

世界天文年2009日本委員会では、「伝統的七夕」の日の前後に、多くの人が天の川を楽しめるよう、明かりを消して星空に目を向けよう、と広く呼びかけています。

七夕行事を楽しみましょう 明かりを消しましょう 星空を眺めましょう
伝統的七夕の笹飾り
写真提供/大川拓也
明かりを消そう
写真提供/大川拓也
星を見るのじゃ!
イラスト/藤井龍二

 

おりひめぼし、ひこぼしを見つけよう

夜空を見上げ、「夏の大三角」を形作る3つの星(こと座のベガ、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイル)を,見つけましょう。おりひめぼしは、こと座の「ベガ」、 ひこぼしは、わし座の「アルタイル」です。星の見かけの明るさは、ベガは0.0等、アルタイルは0.8等です。明るい星なので都会の夜空でも見つけることができます。春から秋まで、晴れていれば見られます。

 

天の川、見えますか?

おりひめぼしとひこぼしの間に、天の川が流れているように見えますか? 天の川の光はとても淡く、大都会の夜空ではほとんど見ることができません。また、月明かりがあると見えにくくなります。山奥や高原など、夜まっ暗になるところでは、ぼんやりとした光の帯のように見えます。

都会では、身の回りの明かりを消すだけでは天の川は戻ってこないかもしれません。それでも、明かりを消して星空を眺め、日本じゅうで一斉に、星や宇宙に想いをはせる日になることを願っています。

ガリレオ・ガリレイは、自作の望遠鏡を夜空へ向け、天の川がたくさんの星の集まりであることを発見しました。ぜひ双眼鏡や小型望遠鏡でも天の川を眺めてみてください。

8月中旬午後9時頃の星空(東京)
南東の空には木星がひときわ目立っています。
画像提供/国立天文台天文情報センター
8月中旬午後9時頃の空

「伝統的七夕」の日は、夕方、月が出ています

夕方、月が出ています。月が沈むまでの時間は、夏の大三角を探したり、月の観察をするとよいでしょう。
月の入りの時刻を過ぎると、暗夜となり、天の川など満天の星空を楽しむのに適した条件となります。

(参考) 2009年「伝統的七夕」の頃の、
日の入り・月の入りの時刻(東京) と月齢
  日の入り 月の入り 月齢(20時)
8月22日(土) 18時22分 19時09分
8月23日(日) 18時21分 19時40分
8月24日(月) 18時20分 20時11分
8月25日(火) 18時18分 20時45分
8月26日(水) 18時17分 21時23分
8月27日(木) 18時16分 22時05分
8月28日(金) 18時14分 22時53分

各地の日の出入り・月の出入り・月齢は国立天文台暦計算室のウェブページで調べることができます。

link国立天文台 天文情報センター 暦計算室
      - こよみの計算  各地の日の出入り、月の出入りなどを調べることができます。
      - 今日のほしぞら 代表的な都市の星空の様子(惑星や星座の見え方)を調べることができます。

 

各地のイベント

世界天文年2009公認イベントの中から伝統的七夕関連のイベントをピックアップしてご紹介しています。

linkはリンクです。イベントに関するお問い合わせは各主催者へお願いします。
  開催地 主催者 イベント名 実施日 会場
link 福島県 郡山市ふれあい科学館 プラネタリウムイブニングアワー
「七夕の星物語U」
8月22日 郡山市ふれあい科学館宇宙劇場
link 茨城県 城里町ふれあいの里天文同好会 伝統的七夕に星を見よう
at ホロルの湯
8月22日 城里町健康増進施設「ホロルの湯」
link 群馬県 県立ぐんま天文台 伝統的七夕観察会 8月26日 県立ぐんま天文台
link 埼玉県 所沢市教育委員会 七夕に星を見よう! 8月26日 所沢市生涯学習推進センター
link 千葉県 サザンクロス 伝統的七夕に星を見よう、天の川は見えるかな? 8月22日 四街道市旭公民館
link 東京都 三鷹市星と森と絵本の家 三鷹市星と森と絵本の家
伝統的七夕祭り
8月26日 三鷹市星と森と絵本の家
link 新潟県 新潟県立自然科学館 星空ウォッチング
「旧暦七夕の星空と月・木星を見よう」
8月26日 新潟県立自然科学館 天体観測室
link 新潟県 胎内自然天文館 特別観望会
「伝統的七夕に七夕の星を見よう」
8月26日 胎内自然天文館
link 石川県 いしかわ子ども交流センター 夏の星空観望会 8月26日 いしかわ子ども交流センター
link 福井県 福井市自然史博物館 七夕の星と木星と歌の夕べ 8月26日 福井市自然史博物館
link 岐阜県 姫治天文クラブ 星祭り 8月22日 姫治公民館
link 三重県 四日市市立博物館プラネタリウム 旧暦の七夕に星を見よう! 8月26日 四日市市立博物館前市民公園
link 島根県 島根県立三瓶自然館、財団法人しまね自然と環境財団 伝統的七夕 8月26日 島根県立三瓶自然館サヒメル
link 岡山県 第25回国民文化祭浅口市実行委員会、岡山天文博物館、浅口市教育委員会、浅口市 星月夜のコンサート
〜ライトダウンinあさくち〜
9月6日 浅口市三ツ山スポーツ公園野外ステージ
link 岡山県 美星天文台 「伝統的七夕」観望会 8月22〜23日 美星天文台
link 宮崎県 高崎星を見る会 七夕祭り 8月26日 宮崎県都城市 たちばな天文台
link 沖縄県 南の島の星まつり実行委員会 南の島の星まつり2009 8月19〜23日 石垣港新港地区サザンゲート広場

 

ライトダウン星空観望会 〜南の島の星まつり2009(石垣島)

沖縄県石垣市では、毎年伝統的七夕に近い日程で「南の島の星まつり」が開催されています。中でも、街の灯りを消して、暗い夜空で天の川をはじめとした夏の星空を楽しもうという「ライトダウン星空観望会」は、2002年の星まつり開始当初から続けられているこの星まつりのメイン企画であり、世界天文年2009日本委員会の呼びかける「七夕に星を見よう」のモデルケースと言えるイベントです。世界天文年の今年は、東アジアの国々でも、ライトダウンの呼びかけや石垣島での取り組みへの関心が高まっています。

2009年の「南の島の星まつり」は8月19日(水)〜23日(日)です。

ライトダウン星空観望会〜全島ライトダウンで天の川を見よう!〜(南の島の星まつり)
  • 日時:8月22日(土) 20:00開演
    全島ライトダウン 20:30〜21:30
  • 場所:石垣港新港地区サザンゲート広場
  • 参加無料
  • 主催:南の島の星まつり実行委員会
  • お問い合わせ:
    南の島の星まつり実行委員会事務局 TEL 0980-82-1535

(参考) ライトダウン星空観望会実施日の、
日の入り・月の入りの時刻(石垣市) と月齢
  日の入り 月の入り 月齢(20時)
8月22日(土) 19時11分 20時17分

link南の島の星まつり

link国立天文台 アストロ・トピックス 「南の島の星まつり2009」と石垣島の国立天文台施設公開

 

参考情報

→Web連載まんが「ガリレオくんと仲間たち」
   - 第18回「七夕の願い事の短冊は、まだまだこれからたくさん書けるのじゃ」の巻