世界天文年2009 日食観察ガイド

日食の楽しみ方


日食を見るときは、
  • 器具は必ず太陽観察専用のものを使いましょう。
  • 紫外線防止、熱中症等予防のため、必ず帽子をかぶりましょう。
  • 子どもだけで観察せず、子どもは大人といっしょに観察しましょう。
  • 観察中に目に違和感があったり、頭痛や吐き気などを感じたら、ただちに観察をやめて医師の診察を受けましょう。
  • 危険回避のために」をお読みください。

専用フィルターごしに太陽を見る

日食を楽しむには、日食グラスなど太陽観察専用フィルターを入手しておきましょう。ここでは使い方と商品例を紹介します。

販売店など主な入手先については世界天文年セレクションのページでご確認ください。

 

太陽観察専用フィルターを使ったときの日食の見え方

太陽観察専用フィルターを使ったときの日食の見え方の例(イメージ)

専用フィルターによる観察の様子

世界天文年2009日本委員会推奨日食グラス

世界天文年2009日本委員会では、主催企画「日食グラスで月にかくれる太陽を見ようの取り組みの一環として、既製の太陽観察用フィルターの中から、最も多角的に安全性を検証していると考えられる商品を選定し、当委員会および天文教育普及研究会執筆・監修の「取扱説明書/観察ガイドブック」を付属した上で、「世界天文年2009日本委員会推奨日食グラス」としました。
世界天文年2009日本委員会推奨日食グラス(ビクセン製)
このイラストデザインは国立天文台バージョンです。
推奨日食グラス

 

穴にひもを通して首にかけると持ち運びに便利です。
ひもを通して首にかけた日食グラス
使い方
ツバのある帽子をかぶりましょう 太陽(日食)観察の際は、太陽光が目に入るのを防ぐため、ツバのある帽子をかぶりましょう。
両手で日食グラスを持ちます 日食グラスの両側を手で包み込むようにして持ちます。
目に近づけます 日食グラスの「遮光プレート」部分をできるだけ目に近づけます。
観察を開始します

日食グラスを太陽に向けて、観察を開始します。観察は目を休めながら行ってください。

日食グラスは目を守るための大切なものです。常にていねいに取り扱いましょう。フィルタ部分が何らかの衝撃などで外れたり、破損したりしていないか、よく確かめてから使うようにしましょう。

日食グラスでやってはいけないこと(危険を伴う観察方法)もお読みください。

→日食グラスで月にかくれる太陽を見よう - 世界天文年2009日本委員会推奨日食グラス

→商品紹介 - 日食グラス

入手に関する情報
  → link推奨日食グラスの取扱代理店 株式会社ビクセン - 2009年夏 全国で日食が起こる!

太陽観察専用フィルター

世界天文年2009日本委員会推奨日食グラスのほかにも、同じ用途の商品が数社より販売されています(商品名はさまざまです)。

ここで紹介している商品は、世界天文年セレクション天体観測ツール部門の応募商品(当委員会で受理した商品)です。

使用上の注意事項をよく読み、正しい用法でお使いください。

観察は目を休めながら行ってください。

日食グラスでやってはいけないこと(危険を伴う観察方法)もお読みください。

太陽観察用フィルターの例
バーダープラネタリウム製アストロソーラーフィルターは薄いシート状です。適切なサイズにカットしてフィルター枠やスライドマウントに収めるなど、工作して使います。工作にあたっては細心の注意が必要です。
→アストロソーラーフィルター バーダープラネタリウム製(眼視用ND-5)
アストロソーラーフィルター
紙製のスライド枠にはさんだ工作例。すき間や破れ、小穴がないことを念入りに確認してから使いましょう。
アストロソーラーフィルターを用いた工作例

→世界天文年セレクション - 天体観測ツール部門

link天文教育普及研究会世界天文年プロジェクトワーキンググループ日食情報
  − 太陽観察用各種フィルタ類およびその代用品の透過率測定 (PDF, 308KB)

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地面などに映る太陽を見る

日食を観察する方法は専用フィルター以外にもあります。ここではピンホール工作、木もれ日、鏡の3つの方法について紹介します。

ピンホールで太陽を映す方法

ピンホール(pinhole)とは、針などを用いてあけた小さな穴のことです。このピンホールを使うと日食の形を地面や箱の中などに映すことができます。ここでは4種類の工作例を紹介します。ピンホールは太陽を投影するための穴です。失明する恐れがありますので、ピンホールを通して直接太陽を見ないでください。

→ピンホール工作の例

カードに穴をあけてみよう
影を見てみます
ピンホールで文字を作ってみよう
ピンホールによる文字
筒の中に太陽を映してみよう
筒の側面を切って、のぞき窓を作ります
大きな箱の中に太陽を映してみよう
大きな箱でもできます。

link国立天文台 − 日食を観察する方法

link天文教育普及研究会世界天文年プロジェクトワーキンググループ日食情報
 − 下を向いてみよう!部分日食「ピンホールをつかった日食観察への招待」 (PDF, 644KB)

地面などに映る木もれ日の形を見る方法

(イラスト/藤井龍二)
日食中の木もれ日をみるガリレオ君と仲間たち
日食中の木もれ日 (画像提供:吉住千亜紀さん)
日食中の木もれ日

部分日食のとき、地面や壁などに映る木の枝葉の影を見てみましょう。枝葉のわずかなすき間をくぐり抜けた太陽の光が「木もれ日」となり、ピンホールと同じ原理で投影されていることがあります。枝葉のすき間の形は様々ですが、木もれ日は光源である太陽の形を映し出します。アリストテレスは紀元前4世紀の日食でこの現象に気づいていていることを記述しています。何も道具を用意しなくても、木もれ日を通して日食のようすを間接的に観察することができるのです。

linkJAXA宇宙教育センター − 「みんなで木もれ日を撮ろう」キャンペーン

 

鏡を利用して見る方法

鏡を利用します。
(画像提供:西はりま天文台)
鏡
壁に映った太陽の光がまるく見えるまで壁から離れましょう。
(画像提供:西はりま天文台)
ミラーに反射させた太陽の光

鏡を使って太陽光を反射させて壁などに映すと、鏡の形にかかわらず、日食の形を観察することができます。小さめの鏡で太陽の光を反射させ、日かげになっている建物の壁などに太陽の光を映してみましょう。この方法は、大勢で見るときにも簡単で便利です。

壁に映った太陽がまるく見えるまで壁から離れましょう。

大小の鏡、あるいは鏡の一部を覆いかくして、映り方を比べてみましょう。鏡から壁までの距離が同じ場合、鏡が大きければ太陽は明るく映りますが、細かいところはぼやけてしまいます。逆に小さい鏡では、暗く映りますが、細かいところまで見えてきます。

link国立天文台 − 日食を観察する方法

link天文教育普及研究会世界天文年プロジェクトワーキンググループ日食情報
 − 下を向いてみよう!部分日食「ピンホールをつかった日食観察への招待」 (PDF, 644KB)

 

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望遠鏡で観察する

市販の天体望遠鏡には、太陽に向けてもよいものと、太陽に向けてはいけないものがあります。誤った使い方は大変危険ですので、取扱説明書などを事前によく確認しましょう。(「君もガリレオ」望遠鏡は絶対に太陽に向けてはいけません。)

太陽観察可能な天体望遠鏡を用いると、太陽黒点があるかどうかなど、太陽面の様子もより詳しく見えてきます。太陽黒点は太陽活動の活発さのめやすとなるもので、約11年を周期として増えたり減ったりを繰り返してきています。2009年は太陽活動が穏やかで、日食当日に太陽黒点が見られるかどうかはわかりません。

部分日食では、太陽と月との境界線に注目してみましょう。天体望遠鏡で月の縁を注意深く観察すると、月面の地形の凹凸がわかることがあります。

太陽投影板を利用して見る方法

太陽投影板の準備

太陽投影板に太陽の像を映す方法です。「投影法」と呼ばれることもあります。望遠鏡の光路上に目を置かずに、板に映して見る方法ですので、たくさんの人で同時に見ることができ、また、直接太陽に目を向けないので比較的危険が少ないといえます。

まず、太陽投影板の使用が想定された望遠鏡かどうか、カタログや取扱説明書などでよく確認しましょう。よくわからない場合は、メーカーや望遠鏡専門店などに相談するとよいでしょう。太陽投影板がセットに含まれている商品であれば一応安心です。

太陽投影板を使うときは、望遠鏡の対物レンズ側に絞りキャップを装着します。減光フィルターの類は装着しません。接眼レンズは太陽観察が可能な設計のものを使用します。倍率40〜50倍程度で太陽光球の全体を観察することができます。

天体望遠鏡の鏡筒にはたいていファインダーが付いていますが、レンズの入ったファインダーは、火事や火傷、機器の破損の原因となりやすいので、集光しないタイプ(等倍のスポットファインダー)にするか、取り外しておくのが安全です。

太陽投影板は望遠鏡の接眼部に正しく装着し、望遠鏡の重量バランスをよく調整しておきます。


太陽の導入と観察

太陽の導入は、地面に映った望遠鏡の影に注目し、影が小さく見える位置を探って導入します。このとき望遠鏡を覗いてはいけません。集光しないタイプのファインダーであっても、ファインダーを覗いて導入するのではなく、地面に映った望遠鏡の影を見ながら導入します。

太陽を導入できたら、板に映った太陽の縁や太陽黒点が最もシャープに見えるよう、ピントを合わせます。望遠鏡を固定していると、太陽はみるみるうちに動いて視野から外れていきます。地球が動いているためです。動いていく方向(西)を確認し、微動ハンドルを操作して太陽を追うようにします。

投影板の上に、白い紙に円を描いたスケッチ用紙をのせて、太陽黒点の位置や、部分日食のようすを書き込むことができます。投影法による太陽黒点の観測は、ガリレオの時代から400年近く続いており、過去の太陽活動を知る基礎的なデータとなっています。

太陽投影板を使うときの注意(危険を伴う観察方法)もお読みください。

 

太陽投影板の使用例
(写真の機種はビクセンの「太陽観察セット2009」)
太陽投影板の使用例

 

対物レンズ側には絞りキャップを装着しましょう。
絞りキャップを装着しましょう

 

ファインダーは集光しないタイプにするか、取り外しておきましょう。
(写真は集光しないタイプのXYスポットファインダー)
ファインダーは取り外しておきましょう

→世界天文年セレクション - エデュケーション部門

太陽観察専用のフィルターを使う方法

望遠鏡の対物側を覆うように太陽観察専用のフィルターを装着する方法です。

専用のフィルターが付属品に含まれている機種(例えば「スカイバード AT-MACS・80L」)では、筒先にフィルターをしっかりとかぶせれば、望遠鏡を太陽に向けてアイピース(接眼レンズ)を直接のぞいて観察することが可能です。

他の機種であれば、「アストロソーラーフィルター バーダープラネタリウム製(眼視用ND-5)」を利用して、望遠鏡の筒先を完全に覆う方法もあります。アストロソーラーフィルターは薄いフィルム状ですので、装着するためのしっかりとしたセルを自作する必要があります。

フィルターは隙間や破れ、小さな穴などがないことを入念に確認してください。筒先に装着する際は、望遠鏡の向きの変化や、風などによって筒先から脱落することのないよう、テープなどでしっかりと固定しましょう。

レンズの入ったファインダーは、火事や火傷、機器の破損の原因となりやすいので、集光しないタイプにするか、取り外しておくのが安全です。

必ずフィルタを装着してから太陽を導入します。導入の操作は通常の天体と同様ですが、太陽の導入は、地面に映った望遠鏡の影を見て行うと早いでしょう。

観察は目を休めながら行ってください。

専用のフィルターが付属品に含まれている機種もあります。
(写真の機種はスカイバード AT-MACS・80L
専用のフィルタが付属品に含まれている機種もあります

のぞいたときにややまぶしく感じる場合はフィルター枠に絞りキャップを重ねてしっかりと固定して使うとよいでしょう。
絞りキャップを重ねた例

link世界天文年セレクション - 望遠鏡部門

link世界天文年セレクション - 天体観測ツール部門

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映像で楽しむ

皆既日食の様子をライブ中継で伝える団体があります。世界天文年2009日本委員会は、国立天文台が行う硫黄島からの中継を支援しています。

インターネット中継

当日天気が悪くて日食を見ることができない場合や、さまざまな事情で屋外で観察できない場合は、インターネットで中継映像を見て楽しむという方法があります。

ライブ! エクリプス 2009  ライブ! ユニバース(世界天文年2009日本委員会協力団体)

株式会社メディア・アイ・コーポレーション 皆既日食2009中継 (公認イベント)

SYNAPSE 2009トカラ皆既日食ライブ中継プロジェクト (公認イベント)

「みんなで木もれ日を撮ろう」ライブ中継 (公認イベント)

NHKホームページ 「46年ぶりの皆既日食」

放送

テレビ放送では、リアルタイム中継や、特集番組も予定されています。

NHK総合「体感生中継!46年ぶりの皆既日食」/7月22日10:30-11:45(予定)

NHK総合「体感!46年ぶりの皆既日食」/7月22日19:30-20:43(予定)

 

衛星画像

衛星から撮影した画像の公開が予定されています。

気象庁・報道発表:平成21年7月22日の日食時に、静止気象衛星「ひまわり」が観測した画像を気象庁ホームページで公開します

中継イベント

中継映像を見られるさまざまな催し物が企画されています。科学館などでは、硫黄島からの中継映像を利用するイベントも予定されています。
※当日は申込制・定員制の会場も多くあります。申込なしの当日参加ができない場合もありますので、ご注意ください。

ダイエースペシャルLIVE!『【奄美】皆既日食中継』 (公認イベント)

→7.22 皆既日食中継プロジェクト(主催企画)

→公認イベント一覧(日食に関連するイベント)

出かけて楽しむ

観察会や日食関連イベントへ出かける

日食当日、全国各地で観察会が予定されています。参加方法など詳しくは各主催者からの情報でご確認ください。

日食当日の取り組みだけでなく、多くの科学館、公開天文台、プラネタリウムなど天文関連施設では、日食に関する何らかの情報提供を行います。日食の観察方法を聴いたり、映像や展示を楽しむことができるでしょう。

公認イベント一覧からリンク先をご覧ください。ほかにもさまざまな取り組みがあります。高校生天体観測ネットワークの観測キャンペーン、JAXA宇宙教育センターの「みんなで木もれ日を撮影しようキャンペーン」、サイエンスカフェ、コンサートなど、日食にちなんだ企画が多数予定されており、日食当日を楽しむための参考になります。

 

→公認イベント一覧(日食に関連するイベント)

→参考情報

観察会やイベントへ出かけるのじゃ!
(イラスト:藤井龍二)
観察会やイベントへ出かけるのじゃ!

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観察にあたっては、必ず正しい観察方法を理解した上で、太陽観察に熟知した指導者の指示、あるいは自己責任の下で行ってください。
このウェブコンテンツは、今年7月22日に日本全国で見られる日食を多くの人々にたのしんでいただくための基本的な情報を提供するものです。
世界天文年2009 日食観察ガイド  企画/世界天文年2009日本委員会  制作/「世界天文年2009 日食観察ガイド」制作チーム